【9割の施主が勘違い】「バリアフリー=引き戸」は大間違い?
- 純 小池
- 2025年4月7日
- 読了時間: 5分
―引き戸のメリット・デメリットと、後悔しないためのチェックポイント―
目次
1. 引き戸は本当にバリアフリー? まずは5種類をおさらい
「引き戸 = バリアフリー」とよく言われますが、実は一概にそうとも限りません。
まずは引き戸の基本的な5種類と、その特徴を簡単に押さえておきましょう。
一般的な引き戸(片引き戸)
壁がへこんだ部分に扉が収まるタイプ
閉めた時は通常のドアのように見え、開けると壁と扉がフラットに近い形で並ぶ
引き違い戸
扉が2枚あり、互い違いにスライドするタイプ
扉2枚分の開口があっても、実際の通路幅は1枚分のみ
引き分け戸
扉が2枚で左右両方に引き分けるタイプ
2枚分の開口幅をフルに使えるため、広い通路を確保できる
壁がへこんでいる場所に扉が納まる形が多い
引き込み戸
壁の内部に扉が“引き込まれる”タイプ
開けると扉が壁の中に隠れるので、開放時には扉が見えずスッキリ
壁内部のスペースが必要になるため、施工や設計がやや複雑
アウトセット引き戸
扉が“壁の外側”をスライドする形
壁をくり抜く必要がなく、後付けも比較的容易
レールや扉の“ボックス部分”が見えやすいため、デザイン面での工夫が重要
2. 引き戸の3大メリット
開閉スペースが不要
開き戸のように扉が“手前”や“奥”に飛び出さないので、廊下や部屋のスペースを有効活用できる
開けっぱなしでも邪魔にならない
ドアが壁に沿ってスライドする分、人の通行や家具の配置を妨げにくい
LDKなどで常に開放しておきたいスペースには相性◎
バリアフリーに向いている可能性
一般的に車椅子の場合、引き戸のほうが扉を開けやすいと言われる
ただし、後述のとおり「引き戸=バリアフリーではない」要素もあるので注意
3. 引き戸の5大デメリット
防音(遮音)性能が低い
開き戸に比べて、扉と壁の間に隙間が生まれやすい
音が漏れやすく、プライバシーを確保したい空間(寝室や子ども部屋など)にはやや不向き
構造的に弱い壁が増えがち
壁をへこませたり、壁内に扉を引き込む“引き込み戸”にすると、体力壁(耐震上重要な壁)を設置しづらい
引き戸を多用すると、十分な壁量が確保できず構造面で不利になる場合がある
建物全体の耐震性を考えるなら、アウトセット引き戸など別の形状も検討を
コンセントやスイッチが設置しにくい
引き戸がスライドする位置にコンセントやスイッチがあると、ドアが開いた状態で操作や使用ができない
設置場所を誤ると、コンセントが“隠れて”しまうなど使い勝手が悪くなる
レール部にホコリやゴミが溜まりやすい
下レール式の引き戸は、レール部分にゴミが入り、開閉が重くなる原因に
上吊り(上レール)タイプで解消できる部分はあるが、重い扉には不向きな場合も
重い扉を採用すると開閉が大変
デザイン性を高めて重量のある扉(無垢材、大判タイル貼りなど)にすると、開け閉めの負担が大きい
将来的に車椅子や高齢者を想定していたのに、重くて逆に開きづらくなるリスクも
4. 引き戸を採用する際の3つの注意点
扉の寸法(高さ・幅)を要チェック
住宅全体で“車椅子対応”を考えるなら、一般的な幅より広い開口を確保
天井までの「ハイドア仕様」にする場合は、扉と枠の納まりをきちんと確認
素材・デザインの統一感を意識
“白い壁”や“北欧風”など、インテリアコンセプトとの相性が肝心
枠有り/枠無しや取っ手・レールの色など、細部のパーツで統一感を出すと完成度UP
構造との兼ね合いを忘れずに
壁をえぐる“引き込み戸”は、体力壁が取りにくくなるデメリットあり
アウトセット引き戸なら壁を削らない分、構造への影響は軽減
「耐震等級3を狙う」など強度重視なら、どこに引き戸を配置するかを担当者と相談
5. まとめ:引き戸は“正しい選び方”で快適空間に
「引き戸=バリアフリー」「引き戸なら楽に使える」と短絡的に考えるのは危険
実は音漏れや耐震、重さ、設置位置など、見落としがちなデメリットも多い
ただし、扉がスペースを取らない・開けっぱなしでも邪魔しないなど大きな利点も
ポイントは 「どんな使い方をしたいか」 と 「構造との兼ね合い」
扉の種類(片引き/引き違い/引き分け/引き込み/アウトセット)の特徴を把握
車椅子や高齢者対応を考えるなら、開口幅だけでなく“重さ・取っ手位置”にも注意
耐震や防音など他の要素を無視して引き戸を多用すると、後々トラブルに
注文住宅の間取り検討時やリフォームを検討中の方は、ぜひ一度ご自宅(または検討中のプラン)を見直してみてください。
使い勝手・デザイン・耐震性をすべて両立できれば、引き戸はあなたの住まいをより快適でスタイリッシュにしてくれるはずです。
後悔のない家づくりのため、ぜひ引き戸のメリット・デメリットを正しく理解して、間取りに最適な扉を選んでください!







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