【階段マニア必見】スチール階段のトップメーカー「カツデン」工場・ショールーム徹底取材
- 1月30日
- 読了時間: 8分
はじめに
今回は、私が長年注目してきたスチール階段メーカー「カツデン」さんのショールームと工場を取材してきました。
私は建築コンサルタントとして7,000件以上の住宅相談を受けてきましたが、正直、階段に関してはかなりの「こだわり派」です。
そんな私でも、カツデンさんの階段を初めて知った時は「マジか、この会社、このクオリティの階段を自社で作ってるのか」と驚きました。
この記事では、動画でお伝えした内容を補足資料としてまとめています。
カツデンとは?
カツデンは、スチール製シースルー階段を製造・販売・施工まで一貫して手がける会社です。
いわゆる「おしゃれな住宅についている階段」をイメージしていただければ分かりやすいでしょう。
業界でのポジション
スチール製シースルー階段の分野で国内トップシェア
大手ハウスメーカー(積水ハウス、住友林業など)への納入実績あり
全国のビルダー・工務店からも高い認知度
年間売上:約40億円(階段事業)
社名の由来
実は元々テレビアンテナを製造していた会社で、アルミのアルマイト処理に電気を使うことから「電気を活かす=活電(カツデン)」という社名になったそうです。
スチール加工は後から始めた事業なのです。
なぜリビング階段を作り続けるのか
カツデンが階段事業を始めたのは約23〜24年前。
当時の社会背景には、引きこもりや少年犯罪が社会問題として取り上げられていました。
玄関から直接2階に上がれる間取りでは、家族とのコミュニケーションが減ってしまうという問題提起でした。
カツデンはこの理念に共感し、**「リビングに階段を置くことで家族のコミュニケーションを促進する」**というコンセプトで階段開発をスタート。
リビングに設置しても空間を圧迫しない、美しいシースルー階段を目指しました。
事業化までの苦難
当初はスチール加工のノウハウがゼロ
溶接も塗装も一からの習得
発売当初は10個出荷すると5〜6件でクレーム発生
工場は連日深夜まで稼働
黒字化まで13年を要した
カツデンの階段が選ばれる理由
1. 圧倒的な仕上がりの美しさ
他のスチール階段メーカーと比較して、カツデンは最も高価格帯ですが、その理由は仕上がりの綺麗さにあります。
特に注目すべきは溶接技術。通常、鉄板を溶接すると「芋虫状」の溶接痕が残りますが、カツデンでは:
溶接後に丁寧に削り込み
どこで繋いだか分からないレベルまで仕上げ
360度どこから見ても美しい設計
2. 空間を広く見せる効果
一般的な木製の「箱階段」は下部が閉じられているため、どうしても狭苦しく見えます。
カツデンのシースルー階段は:
向こう側が見通せるデザイン
リビング中央に置いても開放感を維持
部屋本来のサイズ以上に広く感じる効果
3. 豊富なバリエーション
階段ブランド:約10種類
バリエーション:数千通り
手すりの面材、段板の素材、色など自由に選択可能
間取りに合わせたカスタマイズ(L字、折り返しなど)
4. 安全性・品質への徹底したこだわり
大手ハウスメーカーとの取引で培われた厳格な品質基準:
250kgの荷重試験をクリア
手すり高さの標準は段鼻から850mm
傾斜角度体験装置(自社開発)でお客様が実際に体感可能
工場見学レポート
製造工程の流れ
1. レーザー加工
鉄板をレーザーで切り抜く
最大24mm厚の鉄板まで対応
レーザー加工機は約2億円
物件ごとにデータ管理して混在を防止
2. 曲げ加工
プレス機で立体形状に加工
この曲げにより強度を確保
機械は約1,000万円
3. 溶接・仕上げ
ささら桁(構造体)は5m以上になることも
1枚の鉄板からは取れないため、短い部材を溶接で接合
溶接後に削り込み、継ぎ目が分からないレベルまで仕上げ
端部にはR加工を施し安全性を確保(手作業)
4. 仮組み
出荷前に実際の階高・掛け幅に合わせて組み立て
設計ミスや製作ミスを現場で発覚させない仕組み
検査完了しないと次工程に進めないシステム
記録写真を撮影し、万が一のトラブル時の証明に
5. 塗装
粉体塗装(粉を吹き付けて静電気で付着させ、焼き付け)
工程:脱脂→リン酸鉄被膜→下塗り→本塗り→焼き付け
焼き付けは280℃で約30分
板厚や季節・気温により微調整
特注の大型塗装設備(「運を使い果たした」レベルの投資)
6. 梱包・出荷
全て手作業(セミオーダーのため形状が全て異なる)
部品点数を各工程でチェック
チャーター便での配送(通常の宅配便では運べないサイズ)
年間生産量
約3〜4,000分の階段・手すりを製造
ショールーム紹介
主力商品「オブジェア」
カツデン一番の売れ筋。選ばれる理由:
シンプルなデザイン:インテリアのテイストを問わない
コストパフォーマンス:他商品と比較して手頃
自由度の高さ:L字・折り返しなど間取りに対応
段板のバリエーション
素材 | 特徴 |
木製 | 温かみのある定番仕様 |
ガラス | 合わせガラスで250kg荷重クリア |
スチール | 色の自由度が高い |
色・艶のバリエーション
ピュアホワイト(艶あり)
マットホワイト(艶なし) ※最近のトレンド
黒も艶なしが人気
艶なし塗装の注意点
新築時は手の油や爪で「テカり」が目立つことがある
5〜6年経つと馴染んでくる
対処法:ヒートガン(5,000〜6,000円程度)を30〜40秒当てると艶なし状態に復活
螺旋階段
カツデンは国内で初めて螺旋階段を商品化した会社。
注目の新商品
火打ち状の構造を応用した螺旋階段(特許取得)
1坪(910mm角)に収まる設計
中央の支柱が細く、手すりを内側に固定するなど細部の工夫
片持ち階段(跳ね出し階段)
壁から階段が浮いて見えるデザイン。
タイプ | 下地要件 |
目透かしタイプ | 105角の柱を敷き詰め |
火打ちタイプ | 24mm以上の合板でOK |
設計上の工夫
あえて段板に「たわみ」を持たせている
剛性が高すぎると下地(壁)を痛めるため
乗っている本人は揺れをほとんど感じない設計
吊り階段(新商品・発売前)
従来の吊り階段よりパイプを細く実現:
天井と壁の2点固定で強度確保
天井固定で上下の揺れを抑制
壁固定で前後左右の揺れを抑制
実際に昇降しても揺れをほぼ感じない
階段以外の商品展開
玄関ベンチ「シャンティ」
靴の脱ぎ履き用ベンチ。特徴:
手すり付き:子供・高齢者の立ち上がり補助
正しい靴の履き方を習慣化:紐を結ぶ習慣づけ
日本人のほとんどは靴をちゃんと履けておらず、これが運動能力低下や足の変形につながるという問題意識から開発。
室内運動器具
コロナ禍で注目された商品群:
登り棒
雲梯
懸垂棒(壁付けタイプ:105角柱に3点固定、耐荷重100kg)
エクステリア商品
商品 | 特徴 |
物干し金物 | 溶接一体成形でグラつきなし、1mm単位で寸法調整可能 |
自転車止め | タイヤを入れて固定するタイプ |
車止め | 高級車対応の埋め込み式(フェラーリ・ランボルギーニのディーラーでも採用) |
家具シリーズ
スチール椅子(鉄板そのままの質感を活かしたクリア塗装)
一点物のような仕上がり
アメリカのクラウドファンディング出品を計画中
鉢カバー
スチール製でキャスター付き
日当たりの良い場所への移動が簡単
新商品「ルクス」
発売から約1年で急速に売上上位に。
特徴
重厚感のある段板(トレンドの「分厚くしたい」ニーズに対応)
跳ね出しスタイルで高級感
ささら桁が段板内部に隠れるデザイン
段板は木製・スチール両方選択可能
色のカスタマイズ可能(サンプル・色品番指定で特注対応)
価格帯
1階から2階まで(13〜14段)で約350万円
顧客の声を商品開発に活かす仕組み
カツデンには独自の商品開発システムがあります:
ハウスメーカー・ビルダーからの要望
エンドユーザーからのDM
工場スタッフからの改善提案
これらを全社員が経営会議に議題として上げられる仕組み。
年間200〜300件の提案が集まる
月1回、6時間の経営会議で選定
採用されたアイデアが実際に商品化
「この製造工程めんどくさいからもっと楽にしてくれ」という工場からの声も反映されるそうです。
価格について
正直にお伝えすると、カツデンの階段は高いです。
一般的な木製箱階段との比較
私の感覚では、1つの階段あたり80万〜100万円程度のプラスになります。
高価格の理由
仕上がりの美しさへのこだわり
徹底した品質管理(仮組み検査など)
豊富なバリエーション対応
チャーター便での配送コスト
熟練工による手作業工程
カツデンからのメッセージ
「ちょっとここ残念だな、と思いながら過ごすのか、一切気にならないレベルで綺麗なのか。ずっと住む家に関してはある程度お金を払ってもいいのではないか」
こだわりの強いお客様に選ばれている、という自負があるとのことでした。
傾斜角度体験装置
カツデンが自社開発した装置。ショールームで実際に体験できます。
機能
階段の傾斜角度を自由に変更可能
手すりの角度も連動して変化
お客様の図面に合わせた角度を再現
なぜ重要か
「40度の階段です」と言われても、実際にどれくらいの傾斜か分からないもの。
特に:
将来の老後の使いやすさ
子供の安全性
手すりの握りやすさ
これらを実際に体感してから決められるのは大きなメリットです。
手すり高さの推奨値
カツデン推奨:段鼻から850mm
これより高くすると、手を上げながら握る必要があり、かえって使いにくくなるとのこと。
まとめ
カツデンは、単なる「階段メーカー」ではありません。
家族のコミュニケーションを促進するという理念
13年かけて黒字化した粘り強さ
溶接技術の極みとも言える仕上がり品質
全社員が参加する商品開発体制
「階段なんてどこも同じでしょ」と思っている方には、ぜひ一度ショールームを訪れていただきたい。
私も15年以上前からカツデンを知っていますが、今回の取材で改めてその技術力の高さに驚かされました。
確かに価格は高いですが、一生住む家の階段として考えれば、検討する価値は十分にあると思います。
動画プレゼント企画
今回の取材で、カツデンさんからプレゼントをいただきました!公式LINEお問合せ下さい!







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